ESDのためのKODOMOラムサール国際湿地交流<ナコンサワン> 2013年1月11日〜13日/タイ国・ナコンサワン |
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主催 :ラムサールセンター(RCJ)、
ESDのためのKODOMOラムサール実行委員会(RCJ、積水化学工業ほか)、
チェンマイ大学
協力 :ナコンサワン・ラジャパット大学、マヒドン大学、
国際環境計画、アジア太平洋地域事務所(UNEP/ROAP)
助成 :環境再生保全機構地球環境基金
参加 :41人(日本の子ども13人、タイの子ども28人)
「ESDのためのKODOMOラムサール国際湿地交流<ナコンサワン>」は、2012年1月に開催された「ESDのためのKODOMOラムサール国際湿地交流<チェンマイ>」に引き続き、タイの大河チャオプラヤ川源流点、ナコンサワンで開催されました。ナコンサワンには、タイ北部最大の淡水湖ブンボラペ湿地があります。ブンボラぺ湿地は、豊かな生物多様性豊かな湖で流域を洪水から守る遊水池機能をもち、漁業や生活水として利用され、人の暮らしとの関わりがとても強いところです。今回はブンボラペ湿地の生物多様性、人間の生活とのつながりをテーマに「ナコンサワンの宝さがし」をしました。 日本から参加した子ども代表は、谷津干潟(1人)、藤前干潟(7人)、円山川下流域・周辺水田(1人)、琵琶湖(4人)、タイからはチェンマイ(8人)、ランパーン(3人)、ナコンサワン(10人)、サムロイヨー(2人)、ドンホイロー(2人)、積水化学工業タイ(3人)の子どもが参加しました。 |
1日目。夕方から始まったオープニングセレモニーでは、UNEP/ROAPのYoung-woo Park地域事務局長からスカイプを通じてメッセージをいただきました。
チェンマイ大学のチチョン先生とナコンサワン・ラジャパット大学のティンナパーンさんから、チャオプラヤ川の成り立ち、洪水について、またブンボラぺ湿地で見られる生きものについてのお話がありました。また、ファシリテーターの中村大輔先生からこのプログラムの目標と、「ナコンサワンの宝さがし」について説明がありました。
つづいて劇団シンデレラが「ESD生きものミュージカル」を披露し、ESDソングを歌い盛り上がりました。
2日目はフィールドワーク。ブンボラぺ湿地をボートで周りました。たくさんの野鳥、一面ピンクに覆われているスイレンやハスの花などを見てブンボラぺ湿地の生物多様性を体感しました。また、伝統的な手法でハスや魚をとる地元の人々、洪水を防ぐために掘られた陸地の跡など、人の暮らしとのつながりも見ることができました。 |
その後ピン川とナン川が合流しチャオプラヤ川となる、チャオプラヤ川の源流を訪れました。合流する2つの川の色が違うのはなぜか、2011年の大洪水のときはどのくらい増水したかなど、たくさんの質問が子どもたちから出ていました。
夜は、いよいよグループに分かれて「ナコンサワンの宝さがし」のまとめです。この日は、それぞれの参加者が考えた6つの宝を、グループでひとつにまとめるディスカッションをしました。
3日目の朝は日本とタイの子どもたちから、自分たちの湿地の紹介、活動内容などの発表がおこなわれました。 午後からは、昨日グループで考えた「ナコンサワンの宝」を1つにまとめ、さらにランキングにするという全体ディスカッションです。日本の子どももタイのタイ語と日本語の通訳をしてくれた学生ボランティアの協力で、子どももたくさん発言をし、ディスカッションは白熱しました。 |
最後に、9つの宝のダイヤモンドランキングが完成しました。1位には「チャオプラヤ川の源流」で、2位は「自然を思う優しい心」と湿地(川・ブンボラペ)でした。チャオプラヤ川は支流も含めてタイ人の生活にとってなくてはならない川である、というタイ参加者の強い意見が日本の子どもたちにも伝わりました。また、日本の子どもが上位にあげた「湿地をガイドする人々」は「次の世代につなげていくために大切」という意見で3位にランクインしました。その他、3位には「動物」、「植物」、「生きもの同士のつながり(食物連鎖)」、「まわりに住む人々(コミュニティー)」、「生活とのつながり(漁業・農業)」があがりました。
プログラムはここで終わりましたが、日本人参加者はナコンサワンからバンコクまで帰る途中で、水の街アユタヤに立ち寄り、ナコンサワンから流れてきたチャオプラヤ川を見学しました。
2013年度にはナコンサワンのさらに下流、バンコク近郊で「ESDのためのKODOMOラムサール」を開催する予定です。